T150Vのプッシュロッドトンネルからのオイルもれが無視できなくなってきた。
ということで、プッシュロッドトンネルのO-リングを交換することに決めた。T150Vはツインと違って、ロッカーボックスをはずすだけでプッシュロッドトンネルがはずせる。はずしてみると、案の定O-リングが千切れていた。これだけ換えるだけでも、オイル漏れがだいぶとまるのはわかっていたが、ヘッドもはずしてみたくなってしまった。実はT150Vは手に入れてから一度もヘッドを開けていないし、その必要もなかった。が開けて様子を見てみたかったというのもあり、今回ついついあけてしまった。これから梅雨まではバイクで走るにはいい時期だし、一瞬躊躇したが好奇心が勝ってしまった。
こうなるとると、バイクいじりの虫はもうとまらない。次々にねじをはずし、ヘッドを取り除いて、念願のピストンとご対面。うわ、カーボンだらけだよ。前のオーナーは随分と濃い目で乗ってたみたいだから、まあしょうがないか。ピストントップの刻印を見つけるために、スクレイパーですすを取り除くことしばし、やったピストンのサイズはSTDだ!しかも純正部品番号入りの純正ピストン!ヘッドガスケットも銅製じゃなくて評判の悪いファイバーのガスケットだったし、これはたぶん一度もヘッド開けたことないな。一度もエンジンに手を入れられたことがない車両みたいだ。僕が始めてのこのバイクの中を見たことになる。32歳にして始めてばらされたT150V、うへへ。。興奮するぜ。
これはもうシリンダーもはずすしかない。シリンダーを止めてるナットをはずし始めると、外側の4個はクリアランスが少なくてスパナが入らない。一本しかない1/2のスパナを削るのも気が引けたので、慌ててアストロにもう一本1/2のスパナを買いに行き、持ち帰ってすぐサンダーで無駄な肉をとる。ナットにすっぽりはまるまで削ったら、ぺらぺらなスパナになってしまった。強度が心配だったが、なんなくナットをはずすことができた。さていよいよシリンダーを取り外すときが来た。期待(何に?)に胸を膨らませ慎重にシリンダーを持ち上げてはずした。あれ、でかいけどアルミなのでツインのシリンダーよりも軽いかも。
シリンダーとピストンをしげしげと眺めたところ、思った以上に状態はよかった。わずかに縦傷があるが、リングの交換だけですみそうだ。一番右のシリンダーは、ホーニングのクロスハッチもまだまだのこっていた。心配だった真ん中のシリンダーもまだ、ボーリングが必要なほどは傷が入っていない。左はその中間ぐらいかな。3万5千キロ走ったエンジンにしては、状態はいい。クランクシャフトも軽く回るし、コンロッドにも傷ひとつなくがたもない。カム山もかじりもなく、まったくもって綺麗なものだった。トリプルはよく壊れるというのは、やっぱり風評に過ぎない。トリプルはよくできたオートバイだ。
はずした部品を灯油で洗ってきれいにして、今日の作業は終了。写真は洗浄後の部品たち。実物を見たい人は、部品の手配をしている間に当ガレージまでおいでください。
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